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ぼくは女性文学も海外文学も専門じゃないし、全然、先生とかでもありません。一趣味人として、小説を読んでの感想を、適当にしゃべっているだけです。
ある人がある文学作品を面白いものと評価するかどうか。それは、その読者の個人史が、作品に描かれた登場人物の個人のあり方か、あるいは作者の個人史と、近いものかどうかということに由来することが多々あるのじゃないか。そして、女性文学にあらわれたセクシャリティのあり方や、そもそもの、近現代の日本の社会における女性にとってのセクシャリティのとらえ方は、文化や制度の変革に伴い、明治から大正、昭和から平成にかけて、急速に変化してきているのでしょう。今年に入ってぼくが読んだ近現代の女性文学は、金原ひとみ、清水博子、三並夏、十文字実香、柳美里、円地文子、壺井栄、林芙美子、田村俊子、樋口一葉などを、ほんのちょろっと齧っただけです。それらはそれぞれによいところがありましたけれども、『モデラート・カンタービレ』をそれらの中においてみると、ぼくにとっては現代的で、親近感を抱きやすい方のものだったかなと思います。
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